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適切な長期修繕計画を作成する

大規模修繕工事を計画する際には、長期修繕計画書での位置づけを確認します。

第一回目の大規模修繕工事では当初、売主より配布されている長期修繕計画書に基づいて行なわれることが多いですが、マンションの総戸数から想定された、あくまで概算の費用に過ぎません。

建物の形状、立地条件、仕様など様々な条件によって各マンションごとに修繕工事費用は異なります。

<長期修繕計画書での注意事項>

(1)次回の大規模修繕工事を意識して今回の費用を見込むこと

二回目の大規模修繕工事では、一回目の大規模修繕工事では行わない、給排水管の更正工事が二回目で行うことが多いです。

更に三回目の大規模修繕工事では更正(主に補修)でなく更新(取替え)工事が行なわれることが多いのです。

更新では多くのマンションのパイプスペースが専有部分の中央にあるため、内装壁を壊して行なわないと出来ない場合もあり、高額な工事費用となってしまいます。
第一回の大規模修繕工事直前が管理組合としてもっとも潤沢な資金状態と安易に考えるのは誤りです。

(2)機械式駐車場の維持費と更新費用を見込んでいるか

屋外で雨露にあたる場所に設置されている機械式駐車場は特に痛みが早いです。この更新(取替え)費用は非常に高く、管理組合内でも利用者と非利用者で維持や更新に対する意見が分かれるところです。特に郊外の月極め駐車場の安いような地域では、駐車場利用料と維持費のバランスを欠き、問題になる例があります。

上記理由から、機械式駐車場をやめ、平置きタイプの駐車場に変更するマンションも少なくありません。

(3)エレベーターの更新費用を見込んでいるか

エレベーターも更新が必要です。平成20年6月の国交省の長期修繕計画に関するガイドラインでは30年が更新時期と例として書かれています。
売主から購入時に交付さられた長期修繕計画書は25年までのものが多く、以降そのような費用が出ることさえ不知な管理組合も多いことでしょう。

入居当初では想像もしないような修繕費用と修繕工事が建物には必須です。

長期的な視野をもって適切な長期修繕計画を作成しないと、後々多額の一時金や修繕積立金の大幅値上げをせざるを得ないという状況になり、そうなれば、購入当初のライフプラン、資金計画も見直しをしなければならないでしょう。


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